
「最近、買い物も行かなくなったみたい…」 「友達と出かけてたはずが、最近はずっと家にいる…」
こんなことありませんか?
離れて暮らす親の様子が気になり始める40〜50代のあなたへ。
親が“外出しなくなる”のには、年齢だけでは語れない色々な理由があります。この記事では、親が外出をしぶる理由と、やさしくサポートするために私たちができることを、わかりやすくお伝えしますね。
親が外出しなくなったのは“心と体”からのサインかも
高齢になると、外出を控えるようになるのは自然なこと…と思いがちですが、 実はその裏に、「ちょっとした不安」や「見えない体調の変化」が隠れていることがあります。
外出しなくなるのは、「出かけたくないから」ではなく、 「出かけることに少し勇気がいる状態になっている」可能性もあるのです。
私の義母もそうですが、私の知人も、お母さまが75歳を過ぎた頃からぱったりと出かけなくなったそうです。それまで趣味で通っていた陶芸教室も「ちょっと疲れて…」と言って休みがちに。体調が悪いわけでもなく、話していると元気そう。でも、何かが違う…。そんな違和感に気づいたのが、きっかけだったそうです。
なぜ親は外出をしぶるのか?その主な理由とは
① 体力や足腰への不安
- 少しの距離でも疲れるようになった
- 転んだらどうしよう…という心配
高齢になると筋力が衰え、「歩くこと」そのものに不安を感じることが増えてきます。外出先で倒れたら?道でつまずいたら?そんな小さな恐怖が、足を重くしているのかもしれません。
② 人とのコミュニケーションへの不安
- 聞き返されたらどうしよう
- 物忘れが増えて、人と会うのが億劫になった
少し前までは社交的だった親でも、「言葉が出にくい」「人の名前が出てこない」と感じ始めると、他人と接することそのものに緊張を覚えるようになります。
③ 外見・身だしなみへの抵抗
- 白髪やシワが気になるようになった
- 歯が悪くてマスクなしで話すのが恥ずかしい
外見に自信がなくなると、「見られたくない」「会いたくない」という感情につながることも。これは高齢の女性だけでなく、男性でも同様です。
④ 出かける“きっかけ”がなくなった
- 友達や知り合いが減ってしまった
- 近くに行きたいお店がなくなった
目的がないと人は動きません。とくに高齢になると、「何のために行くのか」がないと、外出はどんどん減っていきます。
やさしく外出をサポートする3つの工夫
① 目的ではなく“楽しみ”を一緒に提案する
「買い物行こう」ではなく、 「このパン屋さん、テレビで見たんだけど一緒に行ってみない?」 「季節の花がきれいな公園があるんだって」 など、“目的よりも楽しさ”を伝えると、気持ちが動きやすくなります。
▶ プチアイディア
- 旬の食べ物を一緒に買いに行く
- 思い出の場所をめぐるミニ旅
ある読者さんは、「昔よく行ったお蕎麦屋さん、まだあるんだって」と声をかけて一緒に出かけたことで、親が「また行きたい」と少しずつ外出を再開するようになったそうです。
② 歩きやすい靴や軽いバッグを用意する
「歩くのが不安」という気持ちを減らすために、
- 軽くて履きやすいウォーキングシューズ
- 荷物を入れても負担にならない軽量バッグ などを一緒に選ぶのも効果的です。
▶ 参考商品
・シニア向けウォーキングシューズ(通気性・滑り止め付き)
・軽量ショルダーバッグ・斜めがけバッグ
実際に私の父も、少し重たいショルダーバッグを手放してから「これなら大丈夫」と言って買い物に出かける回数が増えました。持ち物ひとつで、行動は変わるものです。
③ 家の中で“お出かけの準備”を楽しむ雰囲気をつくる
おしゃれをしてから出かけるまでのプロセスも、実は楽しみのひとつ。
「これ似合うよ〜」「その色いいね!」と声をかけることで、 外に出ることへの意欲が自然に高まってくることもあります。
▶ 提案できるアイテム
- 外出用に一着だけ“お気に入りの服”を新調
- 紫外線対策におしゃれな帽子や日傘
ある高齢の母娘さんは、「この服はあんたと出かけるとき用にしてるのよ」と、毎月1回“おでかけの日”を楽しみにしているそうです。とても素敵ですよね。
(まとめ):外出しない=意欲がない、とは限らない

親が外出をしぶる理由には、体力・気力・不安などさまざまな要因が関係しています。
大切なのは、「行こうよ!」と急かすことではなく、 「いっしょにちょっと行ってみようか」とそっと背中を押すこと。
外の空気に触れることは、気分転換や健康維持にもつながります。
外出は、“無理にさせるもの”ではなく、“一緒に楽しむもの”へ。 あなたの声かけやちょっとしたサポートが、親の暮らしに新しい風を運ぶはずです。
今年はぜひ、“やさしい外出”のサポートをプレゼントしてみませんか?
あなたとご家族が、健やかに日々を楽しめますように。